人はどのようにして、自らの「性」を認識しているのでしょうか?
あなたは、異性ではなく同性に関心や興味、またはそれ以上の感情を抱いた事はないでしょうか?
トランスジェンダーと呼ばれる人たちの中には、自らを女性でも男性でもないと感じる人もいます。
日本においても、教育機関や自治体で「性の多様性」を受け入れ、共生社会を目指す機運はますます高まっています。
「性」は実に多様です。「性自認=ジェンダーアイデンティティー」には様々なカテゴリがあります。呼称としては、MTFやFTM、FTXやMTXなど......本項で取り上げるMTFは男性の身体で生まれてきていますが心は女性です。
そのため、MTFは「自分は男じゃなくて女だ!」と思っています。
そこで今回はMTFの意味やMTFとは真逆のFTM、性同一性障害用語の解説をしていきます。
また、MTFは、男性から女性への性別移行を欲しているため、女性らしい身体になるため女性ホルモン剤を使っている人もいます。「これから女性ホルモン剤を使おうと考えている」と言うMTFも少なくないでしょう。
女性ホルモン剤には注射や薬剤が一般的ですが種類も多く、効果的な組み合わせなどもあります。気になる効果などについてもご紹介します。
MTFの意味とは?
「性自認=ジェンダーアイデンティティー」のことを知っている人も少なくないでしょう。でも、ジェンダーアイデンティティーとは一体どういうことなのでしょうか?
例えば、この中には性同一性障害(GID)や性別違和(GD)の人達も含まれていますが、これは一部のカテゴリであり、これ以外にも様々なジェンダーアイデンティティーがあります。
ジェンダーアイデンティティーは「自分の性別に対して男性? それとも女性? として認識しているか」という意味があります。
MTFの正式名称は英語で「Male To Female」。頭文字を取りMTFと呼ばれていて「男性から女性へ」という意味になります。さらに、この意味を掘り下げていくと身体の性別と心が一致していないということになります。
■MTFは身体は男性でも心は女性
ジェンダーアイデンティティーの話を少ししましたが、その中にMTFが含まれています。では、MTFとはどのような状態を指すのでしょうか?
MTFは、性同一性障害の中でも心の性別(精神的に自認している性別)が女性であるが身体的な性別(身体的な特徴から判断される性別)が男性であるという状態。
よってMTFとは、身体は男性ですが、「女性」として生活をしたり、「女性」として扱われたいという願望を強く持っている人たちを指します。
FTMや性同一性障害用語の解説
FTMや性同一性障害用語と言われている人達の間で使われている専門用語の種類はとても多く、自身がMTFであっても知らない専門用語や意味を知らない人も少なくないでしょう。
そこで今回は、数あるFTMや性同一性障害用語の中から一部をご紹介します。
これからの時代に、知っておいて損はない情報だと思いますので、是非、FTMや性同一性障害用語をチェックしてみてください!
■①トランスジェンダー(T)
トランスジェンダー(T)は、生まれてきたときの性別と心の性が一致しない人で、性転換手術といった外科的手術は望まない人という意味があります。そのため、女性なら男性らしい格好をして、女性なら男性らしい格好をしています。
■②トランスベスタイト(TV)
トランスベスタイト(TV)は、異性の格好をする人という意味です。トランスジェンダー(T)と同じで性転換手術をしたいというわけではありません。例えば、男性が女装する場合はクロスドレッサーやMTFTGとも呼びます。
そして、女性が男装し男性として生活している場合はトランスベスタイトクロスドレッサーと言いFTMTVと呼びます。
■③LGBT
LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字から4文字とった言葉で同性愛者や両性愛者、性同一性障害となどを人権保護するために作られた言葉です。
■④LGBTQ
LGBTQは、LGBTにQがついた言葉です。Qはクィア(Queer)とクエッショニング(Questioning)という2つの意味が含まれています。
Qはクィア(Queer)は「変わり者」「不思議な」という意味があり、元々は差別用語でしたが最近では肯定的な意味になっています。クエッショニング(Questioning)は自分の性別が確実にわからない人という意味です。
Qの意味が2つ含まれているため、人によってクィア(Queer)になる場合もあればクエッショニング(Questioning)になる場合もあります。
■⑤アジェンダー ニュートロイス(Agender Neutrois)
アジェンダー ニュートロイス(Agender Neutrois)は、自分の性別が男性でも女性でもないと自認している人で、ジェンダーを持たないといい意味があります。また、アジェンダー(Agender)とも言ってニュートロイス(Neutrois)と同義語になります。
■⑥アンドロジン アンドロジナス(Androgyne Androgynous)
アンドロジニー アンドロジナス(Androgyne Androgynous) は、男性ですが女性に見える人、女性ですが男性に見える人のことで男女両者の外見と器官を持つ人という意味があります。また、性にこだわらず自由に考えて行動するという第三の性とも言われています。
MTFが選ぶ女性ホルモン剤~効果や方法
前述のように、MTFの中には、女性ホルモン剤を投与している人もいます。
では、MTFが女性ホルモン剤を使うとどのような効果があるのでしょうか?
1.男性ホルモンが抑制される
男性ホルモンや抗男性ホルモンによって、皮脂分泌が少なくなり体臭がなくなる、体毛が減る、髪の毛が増えるなどの効果があります。また、精巣からは男性ホルモンが作られません。
2.胸に膨らみがでる
エストロゲン=卵胞ホルモンが活発になり胸に膨らみがでてきて、さらに、プロゲステロン=黄体ホルモンの働きによりもっと胸に膨らみがでてきます。
3.体型が女性らしくなる
プロゲステロン=黄体ホルモンは脂肪がつく作用があり特に、お尻や太もも、二の腕やお腹に脂肪がつき筋肉量も減るため柔らかい感触になり、筋肉質だった男性は華奢な身体つきになります。
4.体温が上がる
プロゲステロン=黄体ホルモンにより0.5度程度体温が上がります。
■女性ホルモン剤について
「これから女性ホルモン剤を使おう」と思っているMTFもいるでしょう。MTFが使う女性ホルモン剤には様々な種類と効果があります。
そして、女性ホルモン剤は個人的にネットなどで購入(個人輸入の場合は自己責任)することもできますが、基本的には病院で処方してもらった方が安心です。また、病院によって薬の量などは変わってきますが、薬剤の種類に関してはどこの病院でも大体、以下の3種類を扱っています。
1.エストロゲンのみ(身体を女性らしくさせる)
2.エストロゲン+プロゲステロン(身体を女性らしくさせる+男性ホルモンを抑える)
3.エストロゲン+抗男性ホルモン(身体を女性らしくさせる+男性ホルモンを早く抑える)
日本は性同一性障害の専門医や病院が海外に比べると少なく、臨床経験も乏しいのが現状です。そのため、病院によってはエストロゲンのみの場合もあります。
海外の場合は男性ホルモンを早く抑えるために抗男性ホルモンと一緒に使い、そして、同時に副作用を軽減するために使われることが多いようです。
日本のMTFが選んでいる女性ホルモン剤は「副作用を抑えながら女性らしい身体になりたい」と思っている人が多いため……
エストロゲン+プロゲステロンン(身体を女性らしくさせる+男性ホルモンを抑える)
エストロゲン+抗男性ホルモン(身体を女性らしくさせる+男性ホルモンを早く抑える)
の2つを選んでいるケースが多いそうです。
■女性ホルモン剤の種類や組み合わせ
前述のように、女性ホルモン剤は個人的にネットなどでも購入できますが、病院で処方してもらうことをおすすめします。病院なら定期的に副作用検査ができるため、その点でも安心です。
また、女性ホルモン注射と一緒に薬剤を使っているMTFも多いです。その理由は早く女性らしい体になることができるのと同時に、肌にハリやツヤがでたり精神的に安定するからです。女性ホルモン注射は病院や美容外科などで対応してくれます。ネット等で検索してみてはいかがでしょう。
次は、最初にご紹介した①~③の女性ホルモン剤の組み合わせで、MTFが女性らしい身体になるために選んでいる薬剤について説明します。
①エストロゲンのみ
・女性ホルモン注射:「プロギノン・デポー筋」または「ペラニンデポー筋」
1~3週間に1回打ちます。
・女性ホルモン剤:「プレマリン(結合型エストロゲン)」
卵胞ホルモンの役目があり女性らしい身体になるためには欠かせません。
②エストロゲン+プロゲステロン
・女性ホルモン注射:「プロギノン・デポー筋」と「プロゲデポー筋(プロゲステロン)」
1~3週間に1回打ちます。
・女性ホルモン剤:「プレモン+マレフェMTF」
日本だけでなく海外のmtfも使っている代表的な薬剤で天然成分のホルモン剤を使っているため副作用も少ないです。
③エストロゲン+抗男性ホルモン
・女性ホルモン注射:「プロギノン・デポ筋」または「ペラニンデポー筋」
1~3週間に1回打ちます。
・女性ホルモン剤:「プレマリン(結合型エストロゲン)」と「アルダクトン(スピロノラクトン)」
副作用が少ない組み合わせで男性ホルモンを早く抑えて、女性らしい身体にしてくれます。
MTFが選ぶ女性ホルモン治療~効果や方法
MTFが女性ホルモン剤を使って女性らしい身体になることを治療と言います。MTFの中には「女性ホルモン治療をしたい!」と強く願っている人もいるでしょう。でも、その前に本当に治療するかどうか?をよく考えてすることをオススメします。
MTFが女性らしい身体になるには、男性ホルモンを減らして女性ホルモンを増やす必要があります。そのため、副作用などのリスクがあることを理解しましょう。
■女性ホルモン治療の方法とは?
MTFの治療は「注射」と「薬剤(錠剤)」の併用が一般的で、多くのMTFがこのパターンで治療しています。MTFの中には「注射」と「薬剤」のどちらかのみという人もいますが、早く女性らしい身体を目指すなら「注射」と「薬剤」の併用がいいでしょう。
また、MTFは治療を継続に続けることで少しづつ女性らしい身体になっていきます。そして、女性らしい体をキープするためにも注射は週に1~3週間に1回、薬剤は毎日服用するのが基本とされています。
注射や薬剤を病院で処方しているMTFは約3ヶ月~6ヶ月のペースで治療による体への負担や副作用などを調べるために検査をします。
MTFは病院で治療を開始すると注射を打ったり薬剤を処方してもらうことが多くなります。特に、注射は1~3週間に1回のペースで打つため、病院や美容外科へ通うことになります。そのため、できれば通いやすい病院を選びましょう。
■女性ホルモンの効果は?
MTFが治療する目的は女性らしい体つきになることです。
では、MTFが女性ホルモン注射を打ったり女性ホルモンの薬を服用して治療したら、どのような効果があるのでしょうか?
主な効果は、体毛が薄くなり、その分、髪の毛が増え薄毛が改善されたり、筋肉量が減るかわりに脂肪が増えて女性らしいふっくらした体型や、くびれができたり胸が膨らんできます。また、細くしなやかで華奢なスレンダー体型になるMTFや脂肪がついて女性らしいぽっちゃり体型になるMTFもいます。
嬉しい効果は胸に膨らみがでること
MTFは女性らしい体にしたり、それをキープするためには女性ホルモン剤による治療が欠かせません。そのため、治療を続けていて「胸に膨らみがでた」ことに対して多くのMTFが嬉しい効果と感じているようです。
治療によって女性の象徴でもある胸に膨らみがでたことにより、自信がついたMTFも多いそうです。また、治療によって胸が膨らむことを「ホルモン乳」とも言います。
治療の効果によって女性らしい身体を手に入れたMTFは「もっともっと女性らしい身体になりたい!」と強く願う人もいるようです。
女性ホルモン剤を増やす場合は?
「もっともっと胸を大きくしたい! 女性らしい身体になりたい!」と思っているMTFは、女性ホルモン剤の量を増やすのが一般的と言われています(個人輸入の錠剤等)。また、女性ホルモン剤の量を増やす方法は注射や薬剤以外にも、パッチなどを使って量を増やす方法があります。
しかし、いずれにしろ、副作用の問題もあるため、個人的な判断で薬剤の量を増やすのは、危険を伴う可能性があるため、やめた方がいいでしょう。
このような場合は病院で相談することをオススメします。
まとめ
最後に......
MTFが女性ホルモン剤治療で女性らしい身体を手に入れることは珍しいことではありません。
また、近年、企業や学校でもMTFなどを積極的に受け入れているため、MTFは今よりも生活しやすい社会環境になっていく可能性があるでしょう。世界は大変なスピードで変わっています。