「ノンケ」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
同性愛には、様々な専門用語があるのをご存知でしょうか。これらの専門用語は同性愛者の中で隠語のように使用されることも多いので、あまり知らないという人も多いかもしれません。
同性愛や両性愛に興味があるという人。また身近に同性愛者や両性愛者がいるという人。このような人は、不用意に相手を傷つけてしまうことのないように、まず同性愛用語を勉強しておきましょう。いざという時に意味がわからず困ることがないようにしておくと安心です。
そこで今回はよく使われるノンケという言葉の意味と、その他同性愛用語を解説していきます。
ノンケの意味とは?
今回本題として紹介していくのは「ノンケ」という言葉です。この言葉は同性愛者の隠語であるのですが、一般的にも広く知られている言葉でもあるでしょう。
■ノンケとは
ノンケとは、異性愛者を指す言葉です。異性愛者とは、異性を好きになる人のことであり一般的な恋愛・性的指向である人のことを指しています。つまり、男性は女性を、女性は男性を恋愛や性的な対象として認知するということです。
ノンケという言葉は同性愛者や両性愛者からの視点で、特に男性に向けて使用します。
同性愛者である男性からすると、恋愛対象として見ていない男性のことをノンケといいます。
男性同性愛者からすれば想いを寄せても、相手がノンケであるとわかった時点で、恋愛を諦めなければいけないという悲しい言葉にもなるわけです。
■ノンケの語源とは
「ノンケ」の語源は、フランス語の「いいえ・ノー」と「気」で「non気」。
つまり「私にはその気(け)はありません」との意味の造語です。その「ケ」とは同性愛を指します。そのケがない異性愛者…つまり一般人のことを指すと言われています。
この語源からも通常の人が使う言葉ではなく、同性愛者が使用する言葉(隠語・符丁)だということがわかります。
■ノンケの同義語と対義語
ノンケと同じ意味として使用される言葉には、「ヘテロ」「ノーマル」「ストレート」があります。どれも異性愛者のことを指す言葉です。
ノンケに対する言葉として、同性愛者や両性愛者を指す「ホモセクシャル」「ゲイ」「レズビアン」などがあげられます。
ちなみに、ゲイの世界では、「ノンケ」の対義語として、かつて「オケケ」という言葉が存在していたとのことです。「ゲイ」という概念が浸透していなかった当時、「あの人、ホモの気(け)があるのかも?」というような言い方をしていたため、その「気(け)」からオケケ(同性愛者)と呼称されていたのだそうです。
「ゲイ」という言葉が浸透しだしたのは、90年代の後半以降と言われており、それまでは「ゲイ」のようにピッタリくる言葉がなかったため、自虐的に使用していたのが「オカマ」という言葉でした。
その他の同性愛用語の解説
ノンケ以外にも、同性愛用語は多数かあります。ここからはいくつかの同性愛用語を紹介していきます。意味もわからずに使用してしまうと、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。きちんと理解しておくことをおすすめします。
■LGBT
LGBTは「Lesbian:レズビアン」「Gay:ゲイ」「Bisexual:バイセクシャル」「Transgender:トランスジェンダー」の頭文字をとった言葉です。
・レズビアン
女性の同性愛者のことをいいます。また女性のことを好きな女性を指す言葉としても使われます。但し、「レズ」という呼称には、侮蔑的なニュアンスを感じ、嫌う人も多いようです。
・ゲイ
日本では、男性の同性愛者のことをいいます。英語圏では、女性同性愛者を含む場合もあるとのこと。
このような人をホモ(やや侮蔑的なニュアンスを感じる当事者も多い)と呼ぶ場合もありますが、基本的にホモ(ホモセクシャル)もゲイも「体も心も男という認識がありながら、男性を好きになる」という状態です。「ゲイ」と「ホモ」の違いは、呼び方と意味合いの違いです。要約すると、同性愛者全体を指す場合は「ホモセクシュアル」、男性同性愛者を指す場合は「ゲイ」、男性同性愛者に対して差別的な意味合いで指す場合は「ホモ」ということになります。
・バイセクシャル
バイセクシャルとは、両性愛者のことです。異性や同性という隔たりがなく、どちらのことも好きになり、性的な欲求をもつ人です。
・トランスジェンダー
トランスジェンダーとは、性同一障害のことです。性同一障害の人は、体と心の性が一致せずに、自分の性に対して違和感をもつ人が多くいます。病院を受診して診断されることで気付く人もいるでしょう。
■ネコ
同性愛用語でネコは「受け」という意味で使用されます。同性愛者がセックスをする場合にも、男女でするように役割があります。ゲイの場合だと挿入する側と挿入される側。レズビアンの場合だと責める側と受ける側です。それぞれの後者である方がネコになります。
またネコの中にも分類があります。
「ボイネコ」ボーイッシュな受け身の人を指す
「バリネコ」セックスが完全に受け身である人を指す
同性愛者でもネコ同士であると上手くいきません。パートナーの指向が、ネコかどうかも重要になってくるというわけです。
■タチ
ネコの反対の立場でいる人を表す言葉が「タチ」です。同性愛者でも男性的な役割をしている人のことをいいます。
セックスでは、ゲイの場合だと挿入する側。レズビアンの場合だと責められる側です。タチには、ネコよりも多く細かい分類があります。
「スカタチ」はスカートを穿くなどの女性のような姿を好む責めの人を指す
「ズボタチ」はズボンを穿くなどボーイッシュな姿を好む責めの人を指す
歌舞伎の世界では、女方に対し、男役を立役と呼ぶ事から、タチの語源は歌舞伎の立役からきていると言う説があります。
但し、「ネコ」「タチ」という表現を嫌う同性愛者は非常に多く、同性カップルに対する誤解の一つとも言われています。
■リバ
リバとは、責めも受けもどちらにも属さず固定していない人のことです。ここまで紹介した専門用語でいうと、ネコにもなれるしタチにもなれる人を指します。
リバはリバーシブルの略です。リバーシブルには、逆にできるという意味があります。裏も表も使えるということ。これが同性愛では、ネコにもタチにもなれるという意味として使われているのです。
■カミングアウト・クローゼット
カミングアウトは、自分が同性愛者であるという性的指向(恋愛・性の対象)を告白することです。親や友人や同僚に打ち明ける時にカミングアウトするといいます。
反対に自分の性的指向を隠すことをクローゼットといいます。同性愛者はクローゼットとカミングアウトの狭間で悩んでいる人も多いでしょう。
■ガチムチ
ガチムチとは、ゲイ用語です。がっちりした筋肉質であり、むっちりした贅肉を兼ね備えている体型の男性のことを指します。イメージとしては、柔道家や中年のプロレスラーのような体型です。
今ではゲイ用語としてではなく、一般的にも広まってきている言葉でもあります。
■外専
同性愛の中でも外国人を好む人のことを外専といいます。同性愛者に関わらず一般的にも恋愛の対象が外国人である場合には、外専という使い方をする場合も多いです。
外専の中でも白人を専門としている人のことを「ヤギパン(白人が山羊の様に白い事から)」といい黒人を専門にしている人のことを「ブラパン」といいます。いずれも多分に差別的な意味合いを含んでいるため、要注意表現です。
■フケ専
フケ専とは、老けた人を好むことをいいます。自分より一回りも二回りも年上の人しか恋愛対象にならないような人です。
もともとはゲイ用語として使われていた言葉ですが、今では一般的にも年配を好む人のことをフケ専というようです。
■セクマイ
セクマイとは、セクシャルマイノリティの略です。これは性的少数者という意味があります。
セクマイという言葉は、セクマイである本人が使用することは少ないでしょう。外部の人が社会的な対応を議論する時に使用する言葉になります。
■店子・売子
店子とは、「みせこ」と読みます。これが同性愛を専門としているお店で働く人のことをいいます。主にゲイバーで働いている従業員に限定されます。
一般的には不動産で「たなこ」という呼び名で使用されていますが、同性愛用語では読み方も意味も変わるので気をつけましょう。
もう一つ売子とは、「うりこ」と読みます。これは売り専門(売り専)のお店で働いている人のことをいいます。男性専用の風俗のようなもので、働いているのも男性です。男性が男性を指名して、セックスを楽しむお店の従業員です。
まとめ
同性愛には様々な専門用語があります。通常では聞いたことのない言葉が飛び交う世界です。足を踏み入れる時には、まず専門用語を熟知しておきましょう。
ある程度の用語を知り得ていれば、間違った発言で後悔したり、人を傷つけてしまうようなこともなくなるはずです。