同性愛であるゲイやレズビアンの間で「タチ」や「ネコ」という言葉を使っていることを知っていますか?
実は、タチやネコという言葉には隠された意味があります。タチは男役という意味でセックスでの役回りは「攻め」、ネコは女役でセックスでの役回りは「受け身」になります。また、同義語として「ウケ」とも言います。
ゲイやレズビアンは同性同士でセックスしているため男性役や彼氏、女性役や彼女という設定が必要不可欠です。そして、ゲイやレズビアンの間では必要なタチとネコですが、セックスの時どのようにしてタチとネコを決めているのでしょうか?
そこで今回はゲイやレズビアンの間で使われているタチやネコの意味や語源、同性愛用語などについてご紹介していきます。性の多様性を理解していきましょう。
タチとネコの意味とは?

「タチ」と「ネコ」という言葉を耳にしたことがありますか?
この2つの言葉はレズビアンやゲイの間で多く使われる言葉です。
「タチ」とは、とは、男性役や彼氏のポジションで「攻める」という意味があります。また、一説には男性のシンボルであるペニスを指しているともいわれていますが、これはどうやら有力な説ではないようです。
一方、「ネコ」とは女性役や彼女のポジションで「受け身」という意味です。こちらも女性器である膣を指しているとの説があるようですが、こちらも有力な説とは言えないようです。有力とされる説については後述します。
また、最近ではネコ・タチという言葉を使わずに、「ウケ」「セメ」という言葉を使うゲイも多いようです。
ゲイやレズビアンは「タチ=攻める」「ネコ=受け身」という設定をしたうえでセックスをします。つまり、同性同士のセックスになるためパートナーのどちらかが男性役や彼氏になりペニスを挿入する側、女性役や彼女になりペニスを受け入れる側を設定しセックスを楽しみます。
タチとネコの語源

同性愛者がセックスをする場合にも、男女の場合と同様に役割があります。ゲイの場合だと挿入する側とされる側。レズビアンの場合だと責める側と受ける側です。それぞれの後者である役割を「ネコ」と呼びます。
但し、一概にセックスの「受け」だけを表すものではなく、全ての恋愛性質をひとくくりにして、「受け」である場合も「ネコ」という言葉を使うことがあるようです。
では、「タチ」や「ネコ」という言葉の語源は、一体どこにあるのでしょうか?
■タチの語源
タチの語源は様々な説がありますが、有名なのが歌舞伎の男役を「立役」と呼ぶことから来ているとされています。「太刀」がペニスの隠喩という説もありますが、有力視されているのは歌舞伎説です。
歌舞伎の役柄では、「女方」に対し「男役」を立役と呼びます。そこから立役→タチと呼ばれるようになったという説です。
■ネコの語源
工事現場などで使う一輪車は「ネコ=ネコグルマ」と呼ばれていて、一輪車を押している姿が攻め、押されているネコグルマが受け身に見えることから「ネコ」の語源になったという説があります。
但し、実際には「ネコ」「タチ」という表現を嫌う同性愛者は非常に多く、同性カップルに対する誤解の一つとも言われています。
同性愛用語の解説

ゲイやレズビアンは同性同士のセックスのため、必ず「タチ=男性役(攻め)」「ネコ=女性役(受け)」という設定をしてセックスすることが多いようです。しかし、「タチ=男性役」「ネコ=女性役」という意味を持つ同性愛用語だけでなく、これ以外にも同性愛用語は沢山あることをご存じでしょうか?
例えば、リバや店子、ジャリタチやウケなどがあります。
ここからは「タチ=男性役」「ネコ=女性役」以外のゲイとレズビアンの同性愛用語をご紹介します。
1.ゲイの同性愛用語
■「外専」ー外国人男性が大好きなゲイのこと
■「熊系」ー男性らしい風格ながら丸顔で瞳がつぶらで可愛らしさがある男性のこと
■「ガチムチ」ーガッチリしていてムッチリとした筋肉質な肉体の男性のこと
■「店子」ー「みせこ」と言いゲイバーなどで働くゲイのこと
■「リバ」ーネコ(受け)にもなれるしタチ(攻め)にもなれる人のこと
■「フケ専」ー自分よりも10歳~20歳以上も年上の男性を好むゲイのこと
■「体専やガタイ専」ーセックスに関しては顔よりも男性らしいマッチョ体型を好むゲイのこと
■「組合員やお仲間」ーゲイが他のゲイを指す時に使う言葉
■「DD」ーデブ専デブを意味していて太め体型や肥満体型の男性が大好きで、自分も太め体型や肥満体型のこと。
■「クローゼット」ーゲイであることをカミングアウトしていない、ゲイであることを隠していること
■「A」ー肛門やアナルセックスのこと
■「ケツマンコや雄マン」ー男性の肛門=ケツマンという意味で男性の肛門を膣に見立てた言葉
■「種付け」ーたねつけと言い男性の肛門内に射精すること
■「生掘り」-コンドームなしで生でアナルセックスすること
■「オラネコ」ーセックスの時はオラオラ系で積極的なノリですが、アナルセックスは受け身になるゲイのこと
2.レズビアンの同性愛用語
次はレズビアンの同性愛用語をご紹介します。
■「オナベ」ー元々は女性ですが心は男性、男性ホルモン投与などにより男性に近い外見の女性のこと
■「サッフィズム」ーレズビアンの語源とされている言葉
■「主婦レズ」ーバイセクシャルの女性で子供が欲しい、または、男性と交際中に結婚前に妊娠し出産した女性のこと
■「ダイク」ーレズビアンを軽蔑するニュアンスが含まれる言葉で欧米を中心に使われている言葉
■「ダナーやダナー系」ー身体やファッションなどは女性的ですが、性格が男性的で言葉使いや振る舞いが男性らしいレズビアンのこと
■「ビアン」ーレズビアン同士や自分のこと
■「ウケ」-ネコと同様、セックスの時は受け身になるレズビアンのこと
■「セメ」ーセックスの時にペニスパンツやバイブなどを使ってパートナーの膣に挿入すること
■「貝合わせ」-女性同士で陰唇を擦り合わせること
■「バリネコ」ーセックスの時は攻めを基本的にはせず完全に受け身であるレズビアンのこと
■「誘いネコ」ーセックスでは受け身が基本ですが、時に積極的に誘いをかけるレズビアンのこと
■「スカタチ」ースカートなど女性らしい可愛いファッションを好みますが、セックスではタチ=男性役になり積極的に攻めるレズビアンのこと
■「ズボネコ」ースカートなどの可愛いファッションよりパンツなどボーイッシュなファッションを好み、セックスではネコ=女性役になり受け身のセックスをするレズビアンのこと
ネコとタチはどうやって決める?

セックスは攻めと受け身で成り立っているため、ゲイやレズビアンの場合「タチ=攻める・男性役」か「ネコ=受け身・女性役」のどちらの役になるかによって興奮度や快感などが変わってきます。
例えば、タチ(攻め)で興奮して気持ち良くなる人、ネコ(受け身)で興奮して気持ち良くなる人など、性癖や指向にもよっても快感などに差がでてきます。
では、ゲイやレズビアンはセックスする時「タチ=攻める男性役や彼氏」「ネコ=受け身の女性役や彼女」をどのようにして決めているのでしょうか?
■タチとネコ、どちらが興奮して感じるか
セックスはお互いに気持ち良くなる行為ですよね?
そのため、多くのゲイやレズビアンは「タチ=男性役や彼氏」「ネコ=女性役や彼女」、どちらの役でセックスをしたいかを決めているそうです。
異性愛者同士のセックスでも攻めるのが好きな彼氏もいれば、彼氏にたくさん攻められて感じる彼女もいますよね? ゲイやレズビアンも同じことで「タチとネコどちらが興奮して感じるか? 」ということがポイントです。
でも、いつからタチとネコが決まるのでしょうか? ゲイやレズビアンだと自覚した頃から決まる人もいれば、数年間タチを経験してからネコに移行する人もいます。
まとめ

いかがでしたか?
聞きなれない言葉が頻出したので混乱した方もいらっしゃるかもしれませんね。少しまとめてみます。
「ネコ」は、アナルセックスにおいて挿入される人、「タチ」は、アナルセックスにおいて挿入する人。
「ウケ」は、セックスにおいてリードされたい人、受け身な人、「セメ」は、セックスにおいてリードしたい人、攻める人。
つまり、ネコ・タチはアナルセックスにおける役割のこと、ウケ・セメというのはセックス全般における役割のことを表しています。
同性愛者、異性愛者など性の形は様々ですが、共通しているのはお互いが気持ち良くなるセックスをしたいということなのです。