我々人間は危険をおかしてまでも、快楽を求めてしまう生き物です。ジェットコースターや、アトラクションとして人気のバンジージャンプなども一歩間違えれば事故に繋がります。自動車の運転でさえ、衝突したら爆発してしまうなど危険性をはらんでいるのです。
数え上げればキリが無いほど、危険と隣り合わせの快楽を求めています。さて、人間にとって最高の快楽とは何でしょう。それは性的刺激ではないでしょうか。
普通の刺激では物足りず、叩いたり、叩かれたり、縛られたり、吊るされたり…快楽を求め「ハードSM」という世界に足を踏みいれてしまう人たちがいます。
そもそもハードSMとは何なのでしょうか。そして、本当に気持ちよいのでしょうか? ここでは、ハードSMとソフトSMの違いや、ハードSMの種類を紹介していきましょう。
ハードSMとは?
今回のテーマである、ハードSM。そのネーミングから分かるように、何となくのSMではなく、“ガチ”のSMプレイがそう呼ばれています。
しかし、ハードSMは人によって解釈が異なるため、その定義は曖昧です。
人によっては、叩かれながら性行為をされることを強烈なSMプレイだという人もいますし、体に傷が残るほど責められないとSMプレイとは言えない、という人もいるので、“ハードSM”を定義するのは困難です。
とはいえ、ハードSMはどういったものなのかと、一般的に捉えられている解釈で答えるなら、“精神的に極度に追いつめる、体に傷を残すほどハードなプレイ、互いに特殊な性癖(サディズム、マゾヒズム)を持っている者同士が世間一般的に認められにくいプレイ”に快楽を感じることを指す、と言っても良いかもしれません。
例えば、乳首にピアスで穴をあけたり、体中に針を刺すニードルプレイなど強烈な痛みを伴うような道具を使い、性的な刺激を与えるなどの行為のことです。
私たちが想像するハードSMは、基本的にSM系のアダルトビデオであったり、団鬼六氏の原作を元にしたSM映画などで荒縄で縛られ、吊るされている女性をイメージしてしまいます。
要するに、見ていて痛いだろうとか、これはちょっと怖いな…と思うのは、ハードSMと考えてもいいのかもしれません。
ただし、こういったプレイを行うためには、素人では無いその道のプロたちによって行われるものですし、然るべき道具も必要となってきます。何も無い裸同士の男女が対峙するだけでは、ハードSMとは言えず、またプレイのバリエーションは少ないはずです。
ハードSMとは、人の体や心が傷つけられてしまっているのに、それに快楽を感じてします行為。こう、まず定義しましょう。
ハードSMとソフトSMの違い
さて、ハードSMというと、かなりレベルの高いSMプレイというイメージを与えます。
一方で、そこまではいかないけれどSMプレイには、ソフトSMという世界もあります。同じSMプレイではありますが、一体何が違うのでしょうか。
まず、ソフトSMですが、これは相手が痛みをあまり感じないような、“SM体験プレイ”と考えて良いかもしれません。
例えば、セックスには淫語責めというテクニックがあります。例えば、「乳首、勃起してんじゃん? どうしたの?」とか、「何このオチンポ。汚らしい…」など、敢えてプレイと分かるレベルのものであれば、ソフトSMと言えるでしょう。
目隠ししたり、手首だけを縛ってフェラチオさせたり、「SMっぽいプレイ」というものが、ソフトSMと定義できます。一方、本当のSM好きたちのために徹底してこだわっているSM専門のショップなどにある道具を使い、体に傷が残るようなSMプレイを行う場合は、ハードSMと定義できるかもしれません。
さらに、ムチ、ろうそく、相手を罵倒する言葉、羞恥心を感じる言葉などを投げ掛け、身体的にも精神的にも追いつめながらも感じてしまう、というようなプレイはハードSMと呼んでも良いでしょう。
前述の通り、解釈は人によって異なりますが、プレイの後に傷が残るとか怪我を負うとか、精神的にダメージがあるとか、何らかの爪痕が残る、そんなプレイであるか否かが、ソフトSMとハードSMの違いなのではないでしょうか。
ハードSMプレイの種類7つ
ハードSMとはどんなものなのか、ということが大筋で分かったところで、ハードSMのプレイを7種類、紹介していきます。ハードSMというだけあって、少々ハードルが高いプレイも紹介しますが、ぜひハードSMに興味がある方は参考にしてみてください。
■①緊縛プレイ
ハードSMの定番でもある、緊縛プレイ。よく、亀甲縛りをされた女性が映画やAVなどで出ていることがあるので、一度は見たことがある人もいるでしょう。
例えば、手首を縛るだけとか、目隠しをするとか、そういったレベルであればまだまだソフトSMの範疇から出ていません。ハードSMとしての緊縛プレイは、しっかりと相手に羞恥心を感じさせるような縛り方をしなければいけません。
基本的には、荒めの縄が道具として使われていますが、今はグッズとして専用アイテムが売られているので、それらを使う手段もあります。緊縛プレイは、ハードSMの基本であり、亀甲縛り以外にも、実はさまざまな縛り方があります。
例えば、後手縛り、高手小手縛り、背面観音縛など、非常に難しく洗練されたし緊縛方法が存在しています。
緊縛プレイというのは、緊縛師というその道のプロがいるくらい、奥が深いプレイであり、ハードSMの象徴的な存在でもあるのです。
男性の独占欲、そして女性の支配されているということで感じる快楽。精神的にも強烈な衝撃を与えることができるのが、緊縛プレイなのです。
■②吊るしプレイ
SM映画などで良く目にするセックスシーンの中で、女性が縛られて吊るされているシーンを見たことがある方もいるでしょう。
縛られ方はそれぞれですが、とにかく吊るされているにもかかわらず、悲鳴という快楽の喘ぎ声をあげているその姿に度肝を抜かれた方も多いはずです。
ソフトSMでは、軽く女性を縛ることはあっても、さすがに吊るすという行為まではしないはずです。道具や施設も必要ですし、まさにハードSMを極めているプロの行為と言っても過言ではありません。
さて、ハードSMの定番である吊るしプレイですが、吊り責めが派生したSMプレイだと言われています。古くから行われていた拷問の一種であり、何らかの理由で犯罪をおかしたとされる受刑者が吊るされながら拷問を受けます。
こういった無抵抗の状態で相手からさまざまな仕打ちを受け、精神的にも肉体的にも疲弊するはずなのですが、これを快楽と感じてしまうこともあるようです。
それが、ハードSMというカタチで発展してきており、世界中のハードSM好きたちの大定番行為として、今も尚進化を続けているのです。
基本的には、半裸、または全裸で吊るされますが、前述したような緊縛プレイを併用して行われる場合もあります。頭に血が上ってしまうだけでなく、中空に浮いていることから体に力が入らず、一定の状況を超えた時に全てが快楽に変わっていくと言われています。
肉体、精神の限界を突破した後に生まれてくる快楽を味わうことができるのが、この吊るしプレイ。まさに、ハードSMの代表格と呼んでも良い、ハードなプレイの一種です。
■③針を使う
ハードSMの場合は肌を傷つけることがあります。SM気分を味わうために叩く、というソフトSMとは違い、完全に肌を傷つけてしまう行為ですので、覚悟が必要です。
さて、肌を傷つけるといっても、体中をめった刺しにするということではなく(強烈なSMプレイ愛好者の中には、体中に針を指すニードルプレイを好む人もいるようです)、体の一部に針を刺すというプレイです。
ただし、ハードSMというカタチで快楽を得るためには、敏感な性感帯に針を指すなどの行為が一般的です。
ハードSMの種類としては、「乳首ピアス」と「ラビアピアス」が、最も有名です。乳首ピアスに関しては、女性(男性も)の乳首に直接ピアスで穴をあけて、それを引っ張ったり、弄ったり、痛みと共に刺激を与えることになります。
片方の乳首につける人もいますが、両方の乳房の乳首につける、さらに大きく重量のあるピアスをつけるなどさまざまです。
一方、「ラビアピアス」は、要するに女性器にピアスをつける行為です。女性器の中ではなく、小陰唇や大陰唇、クリトリスにピアスをつけます。
これらも、引っ張ることにより道具や人間の指とは違った痛み(快楽)を得ることができ、挿入時もプラスアルファの快楽を得ることができると人気のようです。
ただし、ピアスについてはSMプレイと言うより、ファッションのひとつとして行っている人たちも少なくありません。しかし、明らかに体を傷つけて楽しんでいるため、ハードSM好きというカタチで解釈してもいいかもしれませんね。
■④監禁プレイ
ハードSMには、さまざまなジャンルがあるのですが、調教プレイに人気が集中しています。男性が、ハードSMに興味が無かった女性を調教していくことで快楽を得ます。
もちろん、男性が調教されるという例もありますが、大半は女性をSMプレイによって快楽を得られるように調教するという目的で用いられていることが多いようです。
犬のように首輪をつけるペットプレイ、奴隷プレイ、排泄系、臨死(生きている状態で死を体感すること)などレベルは多岐に渡りますが、監禁プレイはかなり人気があるハードSMと言えます。
監禁プレイは、男女が互いに同意のもと行われますが、女性がとある狭い部屋に監禁されたり、檻に入れられたり、手足を縛られて目隠しをされ、部屋の隅に放置されたりと多種多様。
自分では、どうすることもできない監禁状態に快楽を感じてしまい、それを見た男性が興奮するというマニアックなプレイです。
今では、スマホのアプリなどで監禁されている画像が見られるようになり、互いの距離が遠くても精神的なダメージを与えることで成立するハードSMのプレイも可能になり、人気があるそうです。
ただし、あまりにも過激なところまでエスカレートしてしまうと、プレイの一貫として理解されず、何かしら問題が起きてしまう可能性があるのでほどほどにしておきましょう。
■⑤飲尿プレイなど
ハードSMは、体を傷つけ、その痛みと共に快楽を得るという、一種の変態プレイです。しかし、身体的に痛みを感じるだけでなく、前述しているように精神的なダメージを与えるというプレイもそれに含まれてます。
ハードSMの代表格として、多くの人たちに人気が高いのが、飲尿プレイでしょう。飲尿プレイは、目の前で女性が放尿をして、その姿に男性が興奮をして自らの性器を慰めるというプレイです。
もちろん、それが基本というだけであり、応用プレイはさまざまなところで行われています。例えば、女性が放尿し、それを男性が飲んで快楽を得るというパターンです。
例は少し少ないですが、男性が放尿して女性と性行為を楽しむというプレイもあり、そのやり方は多種多様です。
ちなみに、放尿プレイで物足りなくなってきた人たちは、スカトロという、人間の排泄物を楽しむハードSMへと突入します。ハードSMの上級編として秘かな愛好者がいるそうです。
■⑥豚鼻責め
ハードSMは、やはり痛みを伴うプレイが基本となっています。緊縛プレイもそうですし、前述したように、ろうそくを垂らすとか、ムチで打ち付けるなどは、私たちが良くイメージしているハードSMです。
しかし、ハードSMに興奮を覚えてしまった人たちの多くは、その痛みに物足りなさを感じてしまい、さらに強い痛みを手に入れて快楽を得たいと思っています。
そんなハードSMマニアたちに人気が高いのが、豚鼻責めです。この場合は相手に精神的な衝撃を与えることで快楽を得るわけです。ヒモのついたフックを両鼻に引っかけ、そのままゆっくりと上げて行きます。当然、フックに引っ掛かっているため、ブタ鼻のようになります。
どんなに美人であっても醜い容貌になり、痛みも伴うのですが、それが快楽へと結びついてしまうのです。
最終的には、電気責めなど、どんどん過激なプレイへと進むことでしょう。
■⑦首締めプレイ
素人は、絶対に真似をしてはいけませんが、首締めプレイなど、臨死体験に近いような危険を伴うプレイも、ハードSMのプレイのひとつです。
首を締められ、意識が朦朧としてきた際、体の力が抜けていきます。そのタイミングに、セックス の絶頂時を合わせることで、一般的なセックスでは楽しめない、次のステージの快楽を得ることができる、というものです。
ただし、こういったダメージをギリギリまで与える方法は上級者向けであり、安易に手を出してよいものではありません。初心者はくれぐれも注意しましょう。
ハードSMに使うアダルトグッズ3つ
ハードSMを楽しむためには、さまざまなアイテムが必要となります。ここからは、ハードSMで活躍してくれる代表的なアイテムを3つ紹介していきましょう。
■①束縛具
ハードSMのさまざまなプレイでポイントになってくるのが、M側になった人物がある程度、自由が効かない状態であるということです。
手錠であったり、首輪をしていたり、自由に動くことができずにS側の人間の思いのままに動かされている、という状況をつくることです。
そのため、ハードSMで定番かつ大人気のアイテムが、束縛具です。束縛具は、ソフトなものから本格的なものまでさまざまなアイテムが販売されており、求めるレベルに応じて選ぶことができます。
同じプレイをしていても、束縛具の有る無しで大きく快楽度が変わっていきます。
■②専用の機械や電気系アイテム
前述してきたさまざまなハードSMの種類。そのシチュエーションこそが、変態的な興奮を生み出すものですが、性器を刺激するアイテムも必要になってきます。
機械や電気など、ハードSM専用の強力なアイテムが販売されているので、それらを利用する手段もあります。
例えば、一般的なバイブではなく、かなりの速度と強さに改造されているものや、電気刺激が強いローターなど、使い方によっては失神してしまうようなアイテムがハードSM好きから高い評価を得ています。
もちろん、素人が使える範囲のアイテムですが、ある程度、極端なレベルまで達している機械や電気も彼ら、彼女らの快楽を得るための必須アイテムなのです。
■③ムチ&ろうそく
やはり、ハードSMの定番アイテムといえば、ムチやろうそくです。SMグッズとして、それ用にアレンジされているアイテムもありますが、実際は動物に使用するものであり、人の体に垂らすレベルではない本格的なろうそくなど、ハードSM上級者はリアルなアイテムを使う傾向にあります。
痛みを快楽に変化させていくためには、生半可な優しさは要らない、というのはハードSM愛好者たちの基本マインドなのかもしれません。
まとめ
ここでは、ハードSMとソフトSMの違い、ハードSMの種類などについて紹介してきました。ハードSMへと突入するためには、ソフトSMで快楽をしっかりと得られるようになること。
信頼できるパートナーと行うこと、そして人体に怪我や悪影響が起きるまで求めないことが大切です。
公にはできない性癖だからこそ、ルールを守って、あくまでプレイとして楽しむのが大人です。ぜひ、今回の記事を参考にハードSMの基本について学んでみてください。